2008.09.02

福田首相の辞任にただ驚く

9月2日(火)

昨日の夜9時40分頃、車のラジオでニュースが聞こえてきた時には「ああ!?」と思わず声を出していた。驚いたなあ。夜9時頃に記者会見があると聞いたときは、何だろうと思っていた。その時は麻生幹事長が会見と言ってたので、もしかして麻生さん幹事長を辞任するつもりかなと漠然と思ったことを覚えている。

それから2時間くらい、車を運転しながらそのことについて考えていた。嫌な感情はなくて、ただ、ニュースの大きさに対する言葉にならない驚きの気持ちが続いていた。

会見後にマスメディアが後付けの解説を大量に流していたが、どれもピンと来なかった。福田首相が辞任したことによって何かが大きく変わろうとしているという感覚だけは本当だった。それは単なる解散総選挙で民主党が政権を取ること以上に大きいことが起こるような予感であった。

2008.02.02

二つの出来事についての地上波TVの報道

2月2日(土)

地上波TVを見ていると、最近はニュースと言えば中国産の毒入り冷凍餃子事件ばかりが目立つ。確かに日常生活に関わるため一般視聴者の関心も高い事件だが、それにしてもこのニュースばかりが延々と流れている。

一方で、個人的に関心があるのは、12月末のケニアの大統領選後からケニア国内で続いている大規模な暴動である。もう数百人の死者が出て、かつてのルワンダのような民族浄化への拡大を懸念する声さえある。しかし、このニュースは地上波TVのニュース番組で流れることはまったくない。

アフリカの話に一般視聴者が関心を持たないことはわかる。でもそれにしてもニュースのバランスが悪い。もしかしたらまた大規模な虐殺が起こる前兆かもしれないのに、まったく報道がないってことはないだろう。

地上波TVにジャーナリズムがなくなったと言う話は、左翼系の言論人から何年も前から聞いてはいたが、しょせん左翼の被害妄想にすぎないと思っていた。しかし今や本当に、地上波TVは娯楽の手段に過ぎなくなったのかもしれない。それがこの二つの事件、出来事についての報道から感じられることである。

2007.09.13

安倍首相の辞任と今後の展望

9月13日(木)

昨日の昼1時過ぎ、車でラジオを聴いていたら、いきなり安倍首相辞任の意向のニュースが流れ、運転しながら思わず驚きの声を上げた。先週のAPECでは職を賭してテロ特措法を通すと宣言した。月曜日に臨時国会が開かれ、所信表明演説をした。それから2日しか経っていない。誰もが予想しなかった辞任である。AFNでも定時ニュースの2番手くらいで取り上げられていた。

今日のニュース番組とワイドショーは安倍辞任が話題の中心で、体調が悪くて辞任するというのが本当らしい。ただ今日になって慶應大学病院に入院したのだが、期間は数日で、大部分は検査のためらしい。肉体的な限界というよりも精神的な限界だったのだろう。

後継者選びも注目されている。麻生氏が有力という説もあるけど、夜になって福田氏の出馬も報じられ対決ムードが高まってきた。いずれどちらかが総裁に選ばれ新首相が誕生する。

しかし、このまま自民党に政権をまかせていいのだろうか。7月に参院選で民主党が大勝したから、参議院では少なくとも3年は民主党が第1党だ。政治の安定のためには、このまま衆参の勢力が逆転したままなのは問題で、どちらかに勢力をまとめる必要がある。でも参議院では解散がないから、参議院の方にまとめるしか方法はない。つまり政治の安定という観点では、参院選で勝利した時点で民主党の政権奪取は王手の状態なのだ。

その観点では、早いうちに衆議院を解散し、民主党を中心とした政権を作ることが今後の合理的な道筋だろう。自民の後継者もワンポイントリリーフとして考えると、福田氏はあんがい適任なのかもしれない。


2007.01.31

女は産む機械発言について

1月31日(水)

柳澤厚生労働大臣が自民党の地方大会で「女性は産む機械」発言をしたとして辞任に追い込まれようとしている。氏が少子化対策担当大臣を兼任していることもあって余計に風当たりが強いようだ。

ところが発言についてテレビで見る限り「女性は産む機械」とは言ってはいるけど、発言の趣旨はちがうようだ。社会を工場にたとえたら女性は産む機械であると言っているだけである。つまり経済学的な比喩なのだ。

社会という工場が子供という生産物を生産する。ところがその工場における産む機械(=女性)は一定数である。少子化とは産む機械の生産性が落ちている状態だから少子化を解消するとは産む機械の生産性を上げることである。ではどうすればよいのかという趣旨の発言である。

これは社会を工場にたとえたから女性は産む機械なのであって、ストレートに女性が産む機械だと言っているわけではない。

経済学では市場は個々人の思惑を超えた経済法則に支配されていると考える。これは社会科学にある程度共通する発想である。社会は個々人の思惑を超えた何らかの法則に支配されている。氏はその発想の延長線上で発言している。

しかしこの発言は長い間「女性は産む性」と抑圧されてきた女性の総反発を受けた。氏もその文脈で捉えられる危険性に気づいてその場で謝罪している。しかし時はすでに遅かった。

政治家の発言がマスメディアに載せられたとき、その発言の意図を超えて政治的な文脈に発言の意味が変換される。これも社会科学の冷徹な法則である。社会科学的な発想で少子化対策を語った柳澤大臣が自らが社会科学的な法則で追い込まれている。ずいぶんと皮肉な話である。

訂正(2月11日)
内閣府の少子化・男女共同参画担当大臣は高市早苗氏であり柳澤氏ではない。厚生労働省でも少子化問題を扱っているので勘違いしていた。

2007.01.21

あるある大事典の捏造

1月21日(日)

関西テレビ制作の『発掘!あるある大事典Ⅱ』が捏造放送をしていたとして今日の放送が休止になった。毎週楽しみにしていたので残念だ。この番組の影響力は大きく、先々週の納豆ダイエット特集によってスーパーから納豆が姿を消していた。

この番組は健康をネタにしたバラエティ番組である。科学とは名ばかりの実験とまだ仮説にすぎないいくつかの説を恣意的に組み合わせて論を組み立てている。だから真剣に見ている人はほとんどいないはずだが、テレビの力はやはり大きい。見ている人のごく一部が実行するだけで市場に大きな影響を及ぼしてしまう。

制作者は勘違いをしていた。まさか自分の番組をこんなに真剣に見る人たちがいたとは。だからこそ平気で捏造することができた。しかし論の強引さはともかく捏造してはいけなかった。一線を踏み越えてしまったのだ。

テレビ制作者の中には肝を冷やしている人がけっこういるはずだ。『あるある大事典』は終わるかもしれない。そうしないと報道機関としてのテレビの信頼を維持できない場合にはだ。

捏造だけはしない。この原則を守ってこれからも楽しい番組を作ってもらいたいとは思う。しかし雪印と同じく一度失った信頼を取り戻すには長い時間がかかるだろう。朝日新聞でもさんご礁の捏造記事が尾を引いているし、NHKのドキュメンタリーも一度の捏造で信頼を損ねたままである。未だに捏造前の信頼は得ていないのだ。

2006.03.12

「官民格差はあって当たり前」自民・久間総務会長(読売新聞)について

久間氏は自衛隊や警察などの危険な仕事をする者が民間と同じならみな民間に行ってしまうから、官民格差は当たり前と言う。そういう官民格差にはわたしは反対しない。給料を上げるなり危険手当をつけるなり大いに優遇すればよろしい。

わたしは都心の一等地に格安の家賃で住んでいる高級官僚と民間との大きな格差に反対しているのだ。その格差を縮め、ご自身も認めているように、一等地にありながらあまり使われていない官舎を売ればそれでいいのである。

偉い人のこういう発言を聞くたびに思うのは、なぜこの程度の発言をする人が政権与党の中枢で力を持っているのかということである。まともな人材はこの国にはそんなにいないものなのだろうか。

リンク: @nifty:NEWS@nifty:「官民格差はあって当たり前」自民・久間総務会長(読売新聞).

2006.01.21

ライブドア騒動について

今週の月曜日にライブドアに特捜の捜査が入って、大きな騒動になっている。ついには東証の取引が一旦停止になるような騒ぎだ。マスコミはまだ誰も逮捕もされていない会社に対する様々な疑惑を垂れ流している。

テレビは人間の本性をさらけ出すとよく言われる。一時的には取り繕えても長期的にはすべてが暴かれるのだという。だからごまかしはきかないのだと。そして堀江氏のテレビでの印象は、よくも悪くも本音で生きている人物というもので、わたしはそれに偽りはないように思う。

そのわたしの中での堀江氏の像と今回マスコミが取り上げている数々の疑惑とはある部分で重なりある部分では重ならない。ライブドアという会社がM&Aの繰り返しで大きくなってきたのは明らかである。事業そのものからはたいして利益があがっていない様子は今までの報道からも見て取れた。その中で違法ぎりぎりのところで色々とあぶないことをやってきたのは事実だろう。ただ、明白に違法性があることを認識してそれを隠蔽しながらやってきたようにはどうしても思えない。新興の会社がのしあがる過程での混乱と熱気の中で起こった出来事なのではないかと思える。

だから今回の騒動には違和感がある。新興の会社ののた打ち回るような成長の軌跡を後追いして裁こうとしているように思える。既存の秩序にあぐらをかく者たちのおごりが感じられるのだ。

社会には秩序が必要だが、その秩序はつねに既存の秩序の破壊のうえに築かれる。その破壊の過程での逸脱を過剰にたたくことは時に社会の停滞につながる。

違法なことは違法なこととして裁かれればいい。ただそれに便乗して過剰に騒ぐことは控えたいしマスコミや他の人にもできれば控えてもらいたいものである。

2005.04.11

過剰な中国・韓国の反日運動の報道

4月に入って、テレビで中国と韓国での反日運動についての報道が目立つようになった。だが、いささか目立ちすぎなのではないか。

報道があるということは確かに運動が過激化しているからなのだろう。最近になって、小泉首相の靖国神社参拝、竹島(独島)の領有権問題、教科書検定、国連の安保理加入運動など、日本に反日感情を逆なでするような動きがあることは確かである。また、中国と韓国の経済発展に伴ってナショナリズムの高揚が見られること、それと継続的な反日教育とが結びついて今の過激な反日運動につながっているのだとも考えられる。

しかし、今のわが国にとって一番重要なトピックは、郵政の民営化問題である。民間にできることは民間にまかせて公共部門のスリム化を図ること、郵便貯金の巨額な資金の公共機関による巨大な私物化を防ぐこと。郵政の民営化の可否が日本の未来を決めるといっても過言ではない。

ところが、残念なことに、テレビで見る限り反日運動ばかりが過剰に取り上げられている。郵政の民営化については自民党と政府との対立を面白おかしく取り上げるものばかりで、中味の解説はほとんどなく、コメントといえば、民営化のメリットがわからないだのもっと説明をといった紋切り型ばかりだ。だったら、テレビでもっと深く掘り下げてみてはどうなのか。反日運動は見た目は面白いが、まだ大した規模ではなく、これからの推移を冷静に見守ればいいだけのことだ。それよりも今は郵政民営化の問題を取り上げてもらいたい。

2004.09.20

プロ野球のストライキ

三連休の土、日とプロ野球がストで中止となった。わたしは球場に行くことは数年に一度しかなく、たいていはテレビ中継ですませる程度の軽いファンなのだが、それでも、週末に野球がないことは寂しかった。

プロ野球はわたしにとって、あって当たり前の空気のようなものだった。ないことがこれほど寂しいものだとは思わなかった。やはりプロ野球は、続いてもらわなくては困るものなのである。そのことを知らせてくれたということだけでも今回のストには意義があったと思う。

しかし、選手会の主張する12球団の維持には、わたしは反対である。新しい企業が参入すること自体はいいことなのだが、そのことによって現体制が維持されたところで他球団の赤字が減少するわけではないのだから、結局は問題が先送りにされるだけのことである。

サッカーの興隆、メジャーリーグへの選手の流出、少子化など、以前にはなかった課題がプロ野球界に突きつけられているのだから、12球団のままでありさえすればそれでいいというわけではない。

今後は、1リーグ制にせよ何にせよ、今までとは異なるシステムが求められていることはまちがいない。それが何なのかを来年1年、近鉄・オリックスの合併統合を凍結して話し合うということであれば、わたしは賛成である。それは選手会の最初の要求にもつながるものであると思っている。


*個人的には古田選手の頑張りには頭が下がる。

2004.04.17

イラクでの誘拐事件

4月にはいってイラクで起こった日本人の誘拐事件は、わたしには予想もつかない出来事だった。自衛隊が攻撃されたり、民間人が戦闘に巻き込まれて死んだりすること、日本国内や外国での日本大使館でテロが起こることなどは可能性として考えていたが、まさか日本人を誘拐して、自衛隊の撤退を要求するグループが出てくるとは想像もできなかった。

おそらく、わたしだけでなく、人質になった人たちや、日本の政府、マスコミもそうだったように思われる。それなのに、後知恵で政府の首脳やマスコミの一部が、人質になった人たちに批判の言葉を向けている。外務省から退避勧告は出ているのだから彼らの行動は無謀な行為だったのだということらしい。

でも、外務省の退避勧告は、ビジネスマンや観光客には効果があるかもしれないが、ジャーナリストやNGOのメンバーにどれほどの効果があるというのか。彼らはむしろそういう地域でこそ必要とされているのだ。

今回の誘拐事件に対しては、危険を予測できなかった者の全員に、何らかの責任がある。つまり、人質になった人たちだけでなく、政府やマスコミ、そしてわたしにも責任はあるのではないだろうか。今回は「平和ぼけ」しているのは日本人だけではなかったようだけれど。

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