読んだ本3冊
4月19日(木)
2月から4月にかけて本を3冊読んだので、ここに短く感想を残しておきたい。いつもなら読んで数日後には感想を書くのだが、つい書きそびれてしまっていた。
1. 作:L.M.モンゴメリ、編訳:宮下恵茉、絵:景『赤毛のアン』(KADOKAWA)
ふだん愛読している作家が名作の翻訳を手がけたということで読んでみることにした。100年後も読まれる名作シリーズの第7作目。小学生向けのわかりやすい抄訳で字も大きく、絶妙な場面にイラストがあって読む理解を助けてくれる。それでいて大人が読んでも感動的な物語に仕上がっていた。
(2月8日読了)
2. 望月拓海著『毎年、記憶を失う彼女の救いかた』(講談社タイガ)
モーニング娘。'18の尾形春水が読んで感動したとブログに書いてファンの間で話題になった作品。第54回メフィスト賞受賞作。純愛物語なのだけど謎解きミステリーの要素もあって、飽きずに読み進めることができた。脚本家出身だけあって人物に生身感があって、伏線の張り方もうまい。ただ小説としてはやや不格好な印象。
(3月9日読了)
3. カズオ・イシグロ著、土屋政雄訳『忘れられた巨人』(早川書房)
昨年のノーベル文学賞受賞作家の最新長編。6世紀頃のブリテン島を舞台にした老夫婦の物語。アーサー王伝説を下敷きにしたファンタジーだが、ファンタジーとしては尻切れな感じがする。この作品は著者の文学のテーマである記憶を巡る物語でもあり、ファンタジーの形式を借りて民族の記憶の修正と忘却というより大きなテーマに取り組んだものと見たほうがいいのだろう。
(4月17日読了)
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