宮下恵茉・作 染川ゆかり・絵『キミと、いつか。』(集英社みらい文庫)シリーズ1~4を読む
4月25日(火)
この作品はシリーズもので、同じ中学校で1年生の同じクラスの女の子たちの初恋模様が描かれている。現在、第4作まで出ており、4人の女の子たちの1学期の恋が描かれた。今後は2学期の恋愛模様が描かれるらしい。第4作まで読んで、何だかオムニバス映画を観終わったような感じがした。同じ中学校の同じクラスで登場人物も重なるのに、ヒロインが交代するだけでこんなに世界が違って見える。どのヒロインも周りから見るとうらやましくなるような恋愛をしている。でも本人たちにしてみれば、初めての恋はとても大変なことなのだ。
最初のヒロインが少女まんが好きというのは、作者の仕掛けなのかなと思う。少女まんがのような恋に憧れる少女が、実際に恋をしてみると少女まんが通りにはいかないことに悩んだりする。読者が「いや、このストーリーは少女まんがでしょう」と思っても、少女がそう思っていないのだからしかたない。やがて読者はこのストーリーを現実に起こっていることのように感じてしまい、少女の恋を応援したくなる。
1学期は恋が成就するところまでの物語だった。さて2学期はどうなるのだろう。物語は続く。
(4月21日読了)
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