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鬼界彰夫著『ウィトゲンシュタインはこう考えた』(講談社現代新書)を読む

3月26日(日)

ウィトゲンシュタインの哲学については、だいぶ前に永井均著『ウィトゲンシュタイン入門』(ちくま新書)や飯田隆著『ウィトゲンシュタイン 言語の限界』(講談社)を読んだり、初期の主著の『論理哲学論考』(岩波文庫)や野矢茂樹著『「論理哲学論考」を読む』(哲学書房)を読んだりもしたのだが、よく理解できないまま、先の著作へと進めないでいた。

この本は、2000年にウィトゲンシュタインの遺稿がすべてCD-ROM版として刊行された成果に基づいており、そのため、これまでは神秘的で謎めいた言い回しと思われていた言葉も、その前提となる手書きのノートやタイプ原稿をつなげて読んでいくと、ある哲学的主題についての継続した思索の最終的に洗練された表現であることがわかるようになった。

それでもわたしにはかなり難解な内容だったが、2か月くらいかけて読み終えてみると、以前よりはすっきりしたような気がする。と同時に、ウィトゲンシュタインの到達した認識に、なぜか身のすくむ思いがした。1人の人間が思索を進めて、言語と私の根源に到達した。もしかしたらそこは人間の深淵の底なのかもしれない。

 

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