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宇田亮一著『吉本隆明『共同幻想論』の読み方』(菊谷文庫)を読む

7月23日(土)

思想家・吉本隆明の主要な作品には、『言語にとって美とはなにか』、『共同幻想論』、『心的現象論序説』の3作品があるが、いずれも難解である。この本ではそのうち『共同幻想論』についてこれでもかというくらい噛み砕いてわかりやすく解説している。それでいてその思想のレベルを落としていない。『共同幻想論』を著者のように理解できると、吉本の他の著作へと連なる思想の芯が理解でき、初期の作品から後期の作品までを一気に見通す展望を得ることができる。

わたしが初めて『共同幻想論』を読み終えたのは1982年の7月17日だからそれから34年が経ったことになる。その間に折に触れて吉本の他の著作や吉本論の本や解説本を読んできた。吉本の本は難解だし、吉本論も解説もけっしてわかりやすくはない。魅力的な思想家であるという直感はあってもわたしの理解力ではまだらな理解に止まっていた。

それがこの本を読んだことで、今までのまだらでポツポツとした理解が一気につながって広い面になったような気がした。登山していて暗い森を抜けると尾根から今まで登ってきた所の全景が見えるような感覚だった。

また吉本の著作と格闘してみたい気持ちが沸き起こっている。そんな気持ちにさせてくれた本書と著者に感謝したい。

(6月25日読了)

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