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2014.07.18

上橋菜穂子著『闇の守り人』(新潮文庫)を読む

7月18日(金)

この本は2007年に『精霊の守り人』(新潮文庫)と共に購入した。『精霊の守り人』の方はすぐに読んで短い感想を残した。当時はブログに感想を残す習慣がなく、ワープロの日記に書いていた。

―NHKのBS2で今春から同名のアニメが始まったので原作を読んでみた。ひと言で言うと冒険ファンタジーなのだが著者が文化人類学者であるためか世界がリアルなものとして迫ってくる。近代以前に確かにヒトはこのように世界を解釈してきたのだしその世界を生きてきたのだ。原作はシリーズ化されて10巻にわたる。しばらくは皇子(のち皇太子)チャグムと用心棒バルサの住む世界を楽しめそうである。(2007年5月18日)―

『闇の守り人』は『精霊の守り人』の続編で、時系列としてもすぐ後の話になっている。だが、主人公の女用心棒バルサの祖国への帰郷を描いているため、同時に、バルサの過去の物語と重なるものともなっている。故国でバルサは誰と出会うのか。闇の守り人とは何なのか。著者の文化人類学者としての詳しい舞台設定もあって、すんなりとその世界に入り込むのは難しいが、一旦、入ってしまえばその豊かさを堪能できる。

その世界は、『精霊の守り人』では韓国、『闇の守り人』では北朝鮮の民俗を描いているような感じがした。そこまで具体的でなくても、東アジアの民俗が描かれている感覚は誰でも抱くのではないだろうか。著者はその世界をベースに想像の翼を広げ、架空の民俗世界を作り上げた。そのため、その世界に確かな手触りが感じられ、まったく違う世界なのに、懐かしい感じもして、自分の中にある懐かしさを核とした想像力が刺激されるのだろう。児童文学に分類されてはいるが、大人が読んでも、いや大人だからこそより楽しめる物語である。

(7月12日読了)

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