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2014.03.26

和田彩花著『乙女の絵画案内』(PHP新書)を読む

3月26日(水)

副題は、「かわいい」を見つけると名画がもっとわかる。副題でも示唆されているように、この本ではかわいい女性や女の子が描かれている絵画について案内している。その案内をしてくれる著者は、スマイレージというアイドルグループのリーダーとして活動している。4月に大学2年生になる19歳の女性で、自身もかわいいアイドルである。大学では美術史を専攻している。この本は現代の女性アイドルが絵画の女性アイコンについて語る本でもある。

著者のアイドルとしての呼び名は「あやちょ」、中学時代からブログを書いていて、ブログのタイトルは「あや著」。そのブログは最初かなりぶっ飛んでいて、ファンはそのあやちょワールドを、とまどいつつも楽しんでいた。そのブログで絵について語り出したのはいつからなのかわからないが、わたしが気づいたのは彼女が高3になってからだった。大学に行くようなタイプには見えなかったのに、その頃から急速に学力を付けている様子がうかがえるようになった。

あや著―和田彩花オフィシャルブログ―

本を読むと、絵に最初に興味を持ったのは2010年の春から(つまり高1から)と書いてあって驚いた。そんな様子はアイドル活動の中では見えなかったからだ。だが、最初に出会ったマネの絵、マネの黒との出会いがあやちょの内面を急激に変えていった。

そして去年の秋からPHPのウェブサイトでこの本の原型になる連載が始まった。第1回はフェルメールの「手紙を書く女」で第2回がマネの「鉄道」だった。この本ではマネの「鉄道」から始まっているが、あやちょの絵との出会いはマネだったから、本の構成の方がしっくりくる。その感性と文章はあやちょのブログそのものだが、かなり洗練された文章だったので、書いたのはゴーストライターではないかとの説も出た。芸能人にはありがちだからだ。だが本人の説明では、この本は、企画者の櫻井氏とPHP新書の編集者との話し合いを何回も続ける中で生まれたものらしい。周りの大人の助言を受けながらも自分で書いた本であるということだ。それだけに実際に本になったことがすごくうれしいとラジオ番組でも言っていた。

【連載:和田彩花の「乙女の絵画案内」】第2回/マネ『鉄道』

たとえば、ベラスケスの「ラス・メニーナス」(女官たち)。この絵はかなり難解な絵だと思うのだが、あやちょは絵の中の少女に注目し、少女がスペインのマルガリータ王女であること、絵の中の鏡に少女の両親であるフェリペ四世夫妻が写っていることを知る。そして、ベラスケスが宮廷画家であることから、この絵をサラリーマン画家ののどかなアトリエとして読み解く。この絵の読み方としては実にかわいらしいのだが、けっして的を外してはいない。

マネとの出会いから始まったあやちょの絵画遍歴は、やがて西洋画を通じての日本の美術のすばらしさの発見に至り、今は仏像巡りにはまっている。いずれ『乙女の仏像案内』も出してもらいたいものである。それにしてもあやちょの「好き」の力のすごさには畏れ入った。好きだからじっと見る。好きだから何度でも見る。自分の好きを突き詰めると人はより遠く深いところへ行ける。わたしにとってこの本は、そのことをあらためて教えてくれる本でもあった。

(3月25日読了)


2014.03.03

角野栄子・作 林明子・画『魔女の宅急便』(福音館文庫)を読む

3月3日(月)

『魔女の宅急便』はあまりにも有名なアニメで原作の本があることも以前から知っていたけど、なぜか本を読もうという気は起こらなかった。数年前に一応読んでおこうかと本書を買ったのだが、長らく本棚に眠ったままだった。今回読む気になったのは、1日から映画で実写版の上映が始まったからである。実写版を観るかはまだ決めてないけど、その前にまず原作を読んでおこうという気になった。

原作は、アニメほどセンセーショナルではないのだが、それでも小さな魔女のキキが大きな街で大活躍をする。そしてその街でなくてはならない存在として定着していく。そのすがすがしさ、明るさは、アニメを観た時とそれほど印象は変わらない。

はたして、実写版ではこれがどう描かれているのかとやはりその点ではそそられる。予告編を見るとアニメにはない原作のエピソードも描かれているようだし、やっぱり観に行こうかなあ。

(3月2日読了)

実写版『魔女の宅急便』


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