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2013.08.17

堀越二郎著『零戦 その誕生と栄光の記録』(角川文庫)を読む

8月17日(土)

零戦は大日本帝国海軍の艦上戦闘機で、太平洋戦争の初期には無敵を誇り、その性能の高さに英米も震え上がったと言われている。この本では零戦の設計者で開発者である著者によって、零戦が誕生するまでのエピソードと太平洋戦争における零戦がたどった運命とが綴られている。それは栄光の記録であると同時に、戦争末期には性能以上の役割を担わされた零戦の悲しみの記録でもある。

初版は1970年(昭和40年)3月、光文社のカッパブックスから出されている。カッパブックスは若いビジネスマン向けの本で、この本もそういう読者を意識しているためか、技術的な説明は簡潔にとどめ、わかりやすい文章になっている。また、まだ技術的には発展途上だった日本の技術者を励ますようなことも書いている。

わたしは、今夏公開中のアニメ『風立ちぬ』のモデルとして堀越二郎を初めて知り、実際はどんな人物なのだろうという興味からこの本を手に取った。実際の堀越は根っからの技術者の印象である。彼は与えられた条件の中で、最高の性能の戦闘機を作りだした。当時は最高の性能を持った戦闘機が求められたので作ったのである。だから、もし、旅客機を作るように要求されたら、旅客機を作ったであろう。それは戦後には初の国産旅客機YS11の開発にも携わったということからも推測できる。

元々は堀越二郎という人物を知るために読み始めた本であったが、この本は零戦の開発者が見た戦争の記録でもある。8月は、6日と9日に広島と長崎の原爆の日があり、15日に終戦の日があることもあって、日中戦争や太平洋戦争について考えることが多い月である。今年は違った角度から戦争について考えることができた。

(8月12日読了)

著者 : 堀越二郎
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日 : 2012-12-25

2013.08.10

片岡剛士著『アベノミクスのゆくえ』(光文社新書)を読む

8月10日(土)

副題は、現在・過去・未来の視点から考えるとある。3つの政策手段、3つのステージ、3つの時点という独特の3×3のフレームワークを駆使して、日本経済の過去、現在、未来の視点からアベノミクスの現在を論じ、TPP、消費税増税、原発などのこれからの日本経済への影響についても論じている。かなり骨太の内容だが主張は明確で、リフレ派の理論に基づく日本経済論と言えるだろう。アベノミクスの今後のゆくえを見守る上でも参考になる。できればもう少し早くに読み終えたかった。片岡氏の今後の著作にも要注目である。

(7月31日読了)

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