梶尾真治著『ダブルトーン』(平凡社)を読む
5月14日(火)
熊本在住のSF作家・梶尾真治の長編小説。2010年7月から12年2月にかけて連載されたものが加筆・訂正されて、昨年5月に単行本として出版された。今年の6月下旬からは、NHKのBSプレミアムで連続ドラマも放映される。
熊本市内に住む30代の主婦と20代の独身女性、二人はいつの頃からかお互いの記憶を共有していることに気づく。その謎を互いに追求する中で、二人とも恐ろしい出来事に巻き込まれてゆく。
主婦と独身女性の平凡な日常が、SFとオカルト風味な設定が加わることでドラマチックに変化してゆく。そこに池波正太郎も顔負けの料理の描写も加わり、独特の梶尾ワールドが形成される。
著者は今年で66歳になるが、アイディアの泉はつきることはなさそうで、まだまだ、わたしたちを楽しませてくれそうだ。
(5月6日読了)
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