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2013.04.12

真梨幸子著『殺人鬼フジコの衝動』(徳間文庫)を読む

4月12日(金)

これは、今まで読んだ中で最も不快な物語だった。読む気になったのは、この作品が舞台化され、17日から上演が始まるからである。それでも途中でもう原作は読まなくてもいいやと何度も思った。だが、本の帯に「後味悪くて読んで後悔<<<読まないと後悔!」、「この本はあとがきまでが物語です」と書いてあり、その言葉を励みに何とか最後まで読むことができた。

この不快な気分は、太宰治の『人間失格』や筒井康隆の『家族八景』を読んだ時の感じに似ている。人間の醜悪な部分がこれでもかとばかりに描かれるのだ。それでも太宰や筒井の作品にはまだ自分や他者を突き放して見る知性を感じられた。だが、この作品の主人公は最後まで自己欺瞞から抜け出せない。そこにはまったく救いがないのである。

わたしはこういう救いのない物語は嫌いだけど、ミステリーとしてうまくできていることは認める。ただ、わたしはこういう本はもう二度と読みたくないし、真梨幸子の他の作品も読むことはないだろう。

(4月9日読了)

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