越水利江子著『ヴァンパイアの恋人 運命のキスを君に』(ポプラ社)を読む
12月29日(土)
前作『ヴァンパイアの恋人 誓いのキスは誰のもの?』では様々な謎が提示された。本作『運命のキスを君に』はその謎解きをしながら物語が推移してゆく。この作品ではヴァンパイアと人間が共存している。なぜそんなことが可能なのか。黒太子はなぜこの国を統治できているのか。その中でのルナの役割とは何か。ラスピラズリの石の力とは。
壮絶な戦いの果てにその謎はすべて解かれる。またタイトルの運命のキスの相手も、そのキスの意味も明らかになる。だから本作はこの作品全体の完結編とも言えるだろう。
でも、謎解きが終わったことは、実はこの物語の始まりにすぎないのかもしれない。この国ではこれからも様々な事件が起こるだろうし、主人公の女の子もまだ、めでたし、めでたしというわけではないからだ。
いずれにしてもこの作品には、すでに舞台化する条件は揃っている。特に宝塚の舞台に合うような気がする。かつてモーニング娘。と宝塚のコラボで『リボンの騎士』と『シンデレラ』が舞台化された。個人的には、また元モーニング娘。の高橋愛をヒロインにして、宝塚とのコラボで舞台化してもらいたいものである。
(12月26日読了)
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