勝川俊雄著『日本の魚は大丈夫か 漁業は三陸から生まれ変わる』(NHK出版新書)を読む
2月16日(木)
この本の著者は、三重大学生物資源学部准教授で、専門は水産資源管理と資源解析である。
この本を読むまでよく知らなかったのだが、著者によると、日本の漁業は衰退の一途をたどっているらしい。見かけだけ立派な漁港はあっても、乱獲による漁獲量の減少と未成魚乱獲による魚価の低下のために、漁師からスーパーの販売まであらゆるルートで誰も利益をあげていない。今、漁業が生き伸びているのは、莫大な補助金をもらっているからだという。
しかし著者は、日本の漁業は生まれ変われると主張する。そのためには、ノルウェーを始めとする先進的な漁業資源管理の方法を日本に導入することが必要だと言う。国による漁師一人あたりの漁獲制限と漁業組合による適切な経営によって、日本の漁獲量は回復するはずだと言う。
確かに著者の主張は理にかなっている。このままだと日本の漁業は20年もしたら滅びてしまうかもしれない。だが、今、日本のあらゆる分野で起こっていることと同様に、ここでも既得権益の壁が立ちふさがる。
著者は東日本大震災後の三陸の現場に立ち、現地の漁師たちの話を聞いて、逆にすべてが破壊された三陸の地だからこそ、漁業の再生は可能なのではないかとの想いを強くする。漁業の復興は元に戻すことではなく、新しい形に変えることである。それは今の三陸だからこそできることであり、三陸がモデルになって日本全体の漁業も変わることができれば、日本の漁業は生まれ変われる。著者はそのための具体的な方策も提案している。
この本の第六章では水産物の放射能汚染について割いている。放射能汚染については著者は門外漢らしいが、よくまとまっていて、わたしたちが水産物を買う時の判断の材料になる。また、著者はウェブサイトとツイッターでの発信も続けていて、最近は水産物の放射能汚染の話題が多いようだ。サイトのリンクとツイッターアカウントは以下の通りである。
公式サイトhttp://katukawa.com/
ツイッターアカウント @katukawa
(2月13日読了)




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