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2012.02.11

東浩紀著『一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル』(講談社)を読む

2月11日(土)

情報技術の発展に伴う、今までとは異なる形の民主主義の可能性について論じた本。

わたしたちは現在の民主主義がうまく機能していないことを感じている。著者はその感覚がどこから来るのかを原理的に解明しようと、民主主義の祖であるルソーから論じ始める。そして、ルソーの『社会契約論』にある一般意志という概念を読み変えると(一般意志2.0)、それがグーグルのような情報技術(ウェブ2.0)によって可視化されて、民主主義がアップデートされる(民主主義2.0)可能性があることに思い至る。

それは今の民主主義を否定するものではなく、アップデートするものである。フロイトの精神分析のように、一般意志(無意識)が可視化(意識化)されれば政治はより正常化される。政治に民意がより反映され、ファシズム的なカリスマの暴走も制御できる。だからと言って、今のニコ生やTwitterが一般意志を可視化しているかというと、著者はその可能性を論じつつも、このままでは不十分と見ている。可視化のためには一般意志2.0のための新しいプラットフォームが必要なのだ。

ウェブ2.0によって一般意志2.0を組み込んだ民主主義2.0が実現される。その社会は、ローティの言う「リベラル・ユートピア」のようなものになるだろうと著者は言う。この本では抽象的に論じているため、具体的な展開がどうなるかはわからない。でも、今の政治に対してわたしたちが漠然と感じていた不満のありかとこれからの政治の方向性を原理的に示してくれた点で、この本はルソーの『社会契約論』のように革新的なものであると言えるだろう。

(2月1日読了)

一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル

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