アービンジャー・インスティチュート著、金森重樹監修、富永星訳『自分の小さな「箱」から脱出する方法 人間関係のパターンを変えれば、うまくいく!』(大和書房)を読む
10月31日(月)
原題は「Leadership and Self-Deception Getting out of the Box」(リーダーシップと自己欺瞞 「箱」から出るということ)である。著者であるアービンジャー・インスティチュートは、哲学や経済、教育などの専門家の集団で、会社の収益性を上げることを目的として、組織の人間関係の諸問題を解決する方法を研究していて、そのための研修やコンサルタント業務も行っている。
原題や著者の経歴からもわかるようにこの本はビジネス書であり自己啓発書でもあるのだが、この「箱=自己欺瞞」から抜け出すという考え方は、人間関係のトラブルを解決する根本の考え方であるとも言える。日本語のタイトルはその面を強調したものだろう。
私たちはいかにして自己欺瞞と言う名の箱に入ってしまうのか、そこからどうやって抜け出せばいいのか。この本では、一人の転職者を主人公にして、上司からのレッスンとしてそのことが具体的に展開される。彼らの問題について考えることで、わたしたちは自分たちの問題に気づくことになる。
自分に起こっている人間関係上の様々なトラブルは実は自分自身が引き起こしている。そのことに気づけば人間関係は飛躍的に改善される。この本は多くの人にとって、その気づきのきっかけとなることだろう。
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