映画『うさぎドロップ』を観る
9月6日(火)
9月1日(木)の映画の日に、新宿ピカデリ―で『うさぎドロップ』を観てきた。『コクリコ坂から』とどちらを観るか迷ったけど、人気子役の芦田愛菜ちゃんの演技を一度映画で観てみたいという気持ちが勝って『うさぎドロップ』を選んだ。
マンガが原作なのだが、わたしはマンガは読んでいない。でも、TVの宣伝を観ていたから何となく大まかなストーリーはわかっていた。要は、ひょんなことから20代の若者が6歳の幼女を引き取って子育てをする話である。
実際に観てみると、ちょっと違う気がした。まず、りんという名の幼女が単なる子供ではない。母方の祖父の隠し子であり、これが真実なら主人公のおばに当たることになる。また演じる芦田愛菜も外見は幼女なのに中味は女であるように演じている。ところどころで色っぽくさえ見えて、正直、売出し中の桐谷美令や若手女優の香里奈が霞んで見えるほどであった。
そしてりんは父を亡くしてひどく傷ついている。主人公のダイキチがこの子を引き取ろうと決めたのは、この傷ついた姿を観たからである。男は傷ついた女を観るとほってはおけないものだ。そして助けようとするものである。
話の筋としては子育て話で実際そういう感情も表現されている。だが主人公が養子という選択をしようとするとりんは「ダイキチはダイキチだよ」と言って断る。そしてダイキチもあえて無理強いはしない。
源氏物語には、主人公の光源氏が紫の上という少女と結婚するという話がある。『うさぎドロップ』の隠れた主題は、この現代ではタブーとされる大人の男と少女の恋愛なのかもしれない。つまりこの映画はロリコンが隠れた主題とも取れるのだ。
この映画はとにかく芦田愛菜ちゃんがかわいいし、主人公はイケメンの松山ケンイチだしで、それだけで楽しい映画なのだけれど、主人公の妄想シーンも挟まれていて、何となく主人公の変態性も暗示されている。ちょっと勘繰りすぎかもしれないけど、監督がSABUということからも、単純な映画ではないだろうとは推測できる。
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