伊藤和磨著『腰痛はアタマで治す』(集英社新書)を読む
9月16日(金)
著者は1976年生まれの元Jリーガーで、腰痛のために現役を引退した。現在は腰痛の改善を主としたパーソナルトレーナーやキネシオロジストとして活動している。この本では、腰痛のしくみや痛みの原因、病院で治らない理由、治し方と予防法などについて記している。
著者は腰痛の主な原因は日常の姿勢の歪みにあるとしている。つまり腰痛も生活習慣病の一つなのである。だからまず大切なのは、正しい姿勢とは何かを体得すること、気がついた時にはその姿勢にすぐ戻すようにすることであると唱える。そして、正しい姿勢でいるためにはある程度のトレーニングが必要であるとして、そのトレーニングの方法をいくつか紹介している。
また、職場でいかに腰に負担をかけないかということで作業環境づくりの方法、腰に無理をかけないような日常の動作、さらには、腰を痛めないゴルフの方法についても解説している。
自分としては、読んでみて大体の考え方はわかったつもりだが、細かい理屈やトレーニングの方法については、この本だけではわかりにくい所もあった。具体的なトレーニング方法についてはネットを検索すれば出てくるので、この本では基本的な考え方がわかるだけでも十分だろう。
ただ、この本を読みながら、日常で自分なりに正しい姿勢を取るようにしていたのだが、読み終えてしばらくして、床の上の書類入れを取ろうとして腰を痛めてしまった。何とも皮肉な話だが、これは自己流ではダメな証かもしれない。やはり最初はその道のプロに、できれば著者自身に正しい姿勢の取り方を教わりたいものである。
(9月15日読了)
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