映画『海洋天堂』を観る
7月17日(日)
おとといの金曜日に、シネスイッチ銀座に中国映画『海洋天堂 Ocean Heaven』を見に行った。私はいつもはチケット代が1000円の映画の日でないと映画を観に行かないのだが、今回は、TBSの『王様のブランチ』で、紹介者のリリコが泣きながら紹介していたので、通常の1800円の日に観に行く気になった。年に数百本を観ている人が泣ける映画はそんなにあるものではないだろうと思ったからだ。観客に年配の女性が圧倒的に多かったのは、その日がレディースデイで女性だけチケット代が900円だったこともあるのだろう。
この映画は末期ガンの父親と自閉症の20歳の息子・大福(ターフー)との物語である。自分が死んだ後も息子が少しでも幸せに暮らせるようにと父親は孤軍奮闘するが、最初はなかなかうまく行かない。しかし次第に理解者も見つかり、どうにか息子の生きる道筋が見えてくる。
最後に父親がしたことは、自分がいなくなっても息子が不安にならないようにと考えてのことだった。そこに父親のせいいっぱいの愛情が感じられて泣ける。
主演の父親役のジェット・リーは世界的なアクション・スターとのことだが、ここではその片鱗すら見えない。あくまでも不器用で真面目な優しい父親を演じている。彼の「大福(ターフー)」と息子を呼ぶ声が今も耳に残っている。この映画はこの声を聞くためだけに観に行ってもいいと言えるだろう。
音楽がきれいだなと思っていたら、なんと久石譲だった。この映画は中国が舞台だけど、スタッフは国際的でテーマも普遍的だ。娯楽性には欠けるが、おそらく何らかの映画祭で賞を取れる作品だと思う。
実は今回も予告編の映画の方がおもしろく見えたのだけど、おそらくまた予告編マジックなんだろうな。
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