ひし美ゆり子著『セブンセブンセブン アンヌ再び…』(小学館文庫)を読む
6月15日(水)
この本を書いたのは、1960年代の人気特撮TVドラマ『ウルトラセブン』で、ウルトラ警備隊のアンヌ隊員を演じた女優である。アンヌ隊員はウルトラセブンを見た男の子たちの憧れの女性であり、わたしも5歳の頃に見て好きになった。わたしの初恋の人はアンヌ隊員である。この本は、そのアンヌ隊員自らが当時を振り返ったエッセイである。だからこの本には当時の裏話がいっぱいつまっている。
と同時にこれは女優ひし美ゆり子の半生をつづった本であるとも言える。ウルトラセブンの裏話と並行に、彼女が女優になったいきさつや他に出た作品のこと、いろいろなハプニング、本が出た当時(2001年)の近況もつづられている。
そして2011年現在、ひし美さんはTwitterをやっていて、わたしもフォローしている。もうフォローして1年以上になる。Twitterでの様子から想像はできたのだが、この本の中でも、ひし美ゆり子とアンヌ隊員は部分的にしか重ならない。でもわたしにはそれは決して失望するようなことではなくて、アンヌのイメージがさらに膨らむ効果があった。
それにしてもアンヌ隊員は何と多くの人たちに支えられてきたのだろう。わたしがこうして再びアンヌ隊員に出会えたのも、多くの熱心なファンとそうしたファンを大切にしてこられたひし美さんのおかげなのだ。
そして今、ひし美さんは新たに写真集を出している。『万華鏡の女―女優ひし美ゆり子』(筑摩書房)である。まだこの写真集は見ていないが、アンヌ隊員に限定されない様々な女優としてのひし美ゆり子を見ることができるにちがいない。
« 梶尾真治著『ゆきずりエマノン』(徳間書店)を読む | トップページ | 映画『海洋天堂』を観る »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 読んだ本39冊(2019.07.15)
- カズオ・イシグロ著、土屋政雄訳『日の名残り』(中公文庫、1994年)を読む(2018.08.10)
- カズオ・イシグロ著、小野寺健訳『遠い山なみの光』(ハヤカワepi文庫,2001)を読む(2018.06.01)
- 読んだ本3冊(2018.04.19)
- 菅野覚明著『吉本隆明―詩人の叡智』(講談社学術文庫)を読む(2018.02.18)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント