« 玄田有史著『希望のつくり方』(岩波新書1270)を読む | トップページ | ひし美ゆり子著『セブンセブンセブン アンヌ再び…』(小学館文庫)を読む »

2011.05.31

梶尾真治著『ゆきずりエマノン』(徳間書店)を読む

5月31日(火)

熊本在住のSF作家である梶尾真治が1979年から書き継いでいるのが、エマノンをヒロインとしたSF短編である。エマノンは地球の全歴史の記憶を持っているが、外見は若くて背の高いスレンダーな美人である。彼女はその特殊能力の故に、様々な不可思議な事件に関わってゆく。

この本には、そうしたエマノン・シリーズのうち2006年から2010年に書かれた短編4作が収められている。「おもいでレガシー」、「ぬばたまガーディアン」、「いにしえウィアム」、「あさやけエクソダス」の4作である。

読んでみて、同じ時期に書かれた長編とアイディアが似ている作品もあって、その時期の著者の経験がエマノンに凝集し、それが核となって長編が書かれるのではと推測した。著者にとってエマノンは着想の源なのかもしれない。

ではエマノンとは何者なのだろう。EMANONを逆に読むとNO NAMEとなるように、エマノンは名付けられない者である。エマノンはある時は地球の意志のようでもあり、ある時は遺伝子の意志のようでもある。エマノンの役割は作品ごとに変わってゆく。その自在さゆえにそこから様々な物語が生まれる。エマノンとはそういう存在なのである。

ゆきずりエマノン

« 玄田有史著『希望のつくり方』(岩波新書1270)を読む | トップページ | ひし美ゆり子著『セブンセブンセブン アンヌ再び…』(小学館文庫)を読む »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/17593/51816343

この記事へのトラックバック一覧です: 梶尾真治著『ゆきずりエマノン』(徳間書店)を読む:

« 玄田有史著『希望のつくり方』(岩波新書1270)を読む | トップページ | ひし美ゆり子著『セブンセブンセブン アンヌ再び…』(小学館文庫)を読む »

フォト
2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

最近のトラックバック

無料ブログはココログ