映画『あしたのジョー』を観る
3月4日(金)
例によって1日の映画の日に、新宿ピカデリ―に『あしたのジョー』を観に行った。
『あしたのジョー』は有名な、あまりにも有名なマンガであり、これを今さら実写で映画化することにどんな意義があるのかとは思っていたが、予告編の香川照之演じる丹下段平があまりにも本気であったため、観てみる気になった。
観客には、ボクシング映画には珍しく若い女の子たちがけっこういたが、これは主役の山ピーが目当てなのだろう。噂では、力石役の伊勢谷友介の筋肉美を目当てのゲイの方々もけっこう観ているらしいが、外見でそれっぽい人は見かけなかった。
観た感想は、さすがにあえて実写化しただけあってすごくいい仕上がりで、製作陣と役者の本気が伝わってきた。特に、計量シーンの伊勢谷の姿には鬼気迫るものがあった。そして何よりも、ボクシングシーンの迫力が本物だった。
ただ、よくできていることは認めつつ、やはりあえて実写化する必要はあったのかという疑問は残る。作り手は、いったいこの映画にどんなメッセージを込めたかったのだろうか。日本にはかつてこんな時代があったのだと今の若者たちに伝えたかったのだろうか。
エンドロールで宇多田ヒカルの歌声が響く中、観客はバラバラと帰り始めた。その姿に、いや、こういう映画はもういいよ、という観客の気持ちが表れているような気がした。
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