久住小春著『17歳の転職』(UP-FRONT BOOKS)を読む
2月20日(日)
著者の久住小春は元モーニング娘。のメンバーで、12歳から17歳まで活動した。また、テレビ東京のアニメ「きらりん☆レボリューション」の主役・月島きらりの声優とその役名によるソロ歌手としても活動してきた。
そのいずれもの活動は2009年12月に終了し、その後はモデルとして活動するとしていたが、昨年からブログを開始し、意外な形でファンの前に再び現れた。そこには、これからは、健康、食、農業をテーマに活動していくと書かれていた。
この本は、そのように「転職」するに至った経緯を、久住小春自身がまとめたものである。アイドルの書いた本はゴーストライターの書いたモノが大半だが、この本は文章、構成のすべてを著者が考えて書いているようである。そのため、ややぶかっこうな本ができあがっているが、現在18歳の著者の等身大の本になっていると言えるだろう。
歌もダンスもまったくレッスンを受けていなかった、新潟の小さな村出身の彼女がいきなりモーニング娘。として活動することがいかに過酷なことだったか、それを彼女がいかに乗り越えていったかがこの本を読むとよくわかる。健康や食への強い関心もその中から生まれたものなのだ。
ただ、彼女が今後、健康や食や農業への関心をそのまま仕事にできるのかという点に関しては疑問が残る。現在のおはスタやヤマザキ食パンのCM、ドリームモーニング娘。としての活動などのように、彼女のやりたいこととは異なることを続けながら、やりたいことを少しずつ実現していくしかないのだろう。めざせ高木美保…かな。
(2月17日読了)
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