柴田トヨ著『くじけないで』(飛鳥新社)を読む
1月4日(火)
今年初のブログということであけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
さて、この本の著者は1911年生まれで今年100歳になる女性である。この本は著者の処女詩集である。息子の勧めで90歳を過ぎてから詩を書き始め、92歳の時に産経新聞の「朝の詩」という読者投稿欄に初めて入選し、その後はこの欄の常連になる。この詩集には「朝の詩」の入選作を中心に42編が掲載されている。まえがきは「朝の詩」の選者で詩人の新川和江さんが、巻末には柴田さん自身による半生が綴られている。
この詩集は昨年の3月に発行されて、話題は何となく耳に入っていたのだけれど、買って読もうとまでは思わなかった。きっかけは、大みそかの朝にNHK総合で放映されていたドキュメンタリー番組である。その番組を何気なく見ていたら、著者自身が詩を朗読していて、そのすばらしい詩に思わず引き込まれ、即買うことにしたわけである。
詩集を読んでみると、番組ほどのインパクトは感じなかったけれど、やはりそのみずみずしい感性に驚く。それでいて詩の背後に凛として生きている様も感じられる。この詩は70代、80代の人の心にも届くのではないだろうか。
今年は父が77歳になる。父は詩や小説の類をほとんど読まない人だが、この詩だったら届くかもしれない。思い切って誕生日に贈ってみようかと今考えている所である。
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