甲斐荘正晃著『女子高生ちえの社長日記』(プレジデント社)を読む
4月17日(土)
この本はビジネス書の一種で、著者の甲斐荘正晃(かいのしょう・まさあき)氏はコンサルティング会社の代表である。父親の社長が急逝したことで、まだ女子高生の娘のちえが、兄が大学を卒業するまで社長を務めることになるという小説なのだが、その全部で19話の物語を読み進めるうちに、会社業務に無知だったちえと同じ目線で、会社業務の全体が徐々にわかるようになってくる。
前回紹介した「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」などと同じ系統のビジネス書と言えるが、会社業務全般についての説明が必要なためか、物語としてはやや退屈である。でも、これから就職活動をする学生や新入社員、入社2、3年めくらいの社員にとっては必読だろう。それに、今のビジネスのトレンドも抑えてあるから、わたしのようにトレンドに疎い古株の会社員にも役に立つ。
各話の最後には、ちえが飼っている黒猫ワンタの一口メモがあり、各話のキーワードを説明してくれる。例えば第1話は減価償却、第8話はQCD、第14話はPOSについてである。また「黒猫ワンタのこれが会社!?」というウェブサイトもあって、そこでさらにくわしい知識を得ることもできる。そのサイトを下にリンクしておく。
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