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江川紹子著『勇気ってなんだろう』(岩波ジュニア新書639)を読む

4月25日(日)

著者は今ではTVやラジオのコメンテーターとして有名な、1958年生まれのフリーのジャーナリストである。コメンテーターとしては、生真面目だけど優しい学級委員長といった感じがする。不正には厳しく対しながらも罪を犯した者を一方的に断罪はしない。その生真面目な優しさのままで、ジャーナリストとしても、オウム真理教の取材など硬派なテーマについて粘り強く取材を続ける一方、若者たちの生き方の問題にも取り組んだりしている。

この本は、そんな著者が勇気をテーマとして若者に向けて書いたものである。自分も勇気がなくて迷うことが多い。でも世の中には「何でこんなに勇気があるんだろう」と思える人たちがいる。彼らは何でそんなに勇気があるのか。著者はジャーナリストらしく、実際にそういう人たちに取材することで、その疑問を解明しようとする。

取材の相手は、登山家の野口健と元政治家の山本譲司、拉致被害者家族の蓮池透、元警察官の仙波敏郎、NPOの高遠菜穂子、イスラエルで兵役拒否をした人たちとである。彼らに共通しているのは、おかしいと自分で思えることに対しては、その気持ちを抑えないでそれを変えるために行動していることである。そのために、世の中や時には国や警察からも迫害を受けるが、そのことで傷つきながらも、自らの気持ちに正直に行動することを止めていない。

著者はこの取材を通じて、勇気ある生き方とは自分の良心に従って生きることであるというメッセージを若者に伝えている。その道は容易ではない。でもそうやって生きることが結局は一番幸せな生き方なのである。

この本を読んで、そういえばと、本棚の奥から高遠菜穂子著『愛してるって、どう言うの?』(文芸社)を取り出した。2004年の春に高遠さんはイラクで人質になって、解放後も激しいバッシングにあっていた。何となく応援したい気持ちからその頃に買ったのだが、読まずにそのままになっていた。この機会に読んでみようと思う。

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