« 野口敏著『一瞬で心をつかむ話し方』(学研M文庫)を読む | トップページ | 内田樹著『街場の教育論』(ミシマ社)を読む »

2009.12.06

William Golding著『lord of the flies』(A Perigee Book)を読む

12月6日(日)

日本では『蝿の王』という翻訳名でも知られる小説。著者のゴールディングはノーベル文学賞作家である。蝿の王とは、聖書にも登場する腐敗と破壊の悪魔・ベルゼバブの別名であり、このタイトルからも悪を主題にした作品と推測できる。

この作品は、未来のある時に飛行機が無人島に不時着するところから始まる。世界は原爆戦争の最中であった。生き残ったのは少年たちだけで、彼らだけの無人島生活が始まる。彼らは、始めのうちは秩序だって暮らし救助を待っていたが、次第に、暴力で支配したがる連中が力を持ち始め、ついにはリーダーを殺すための狩りが始まる。

わたしたちは、いったいどのようにして秩序を保ち、社会を形成できているのか。著者はこの作品によって、様々なキャラの少年たちがいかに無秩序になっていくかを示すことで、その問題への解答を与えようと試みている。

果たして世界は『十五少年漂流記』のような世界なのか。それとも『蝿の王』のような世界なのか。おそらくどちらも世界の一つの面を捉えたものなのであろう。

« 野口敏著『一瞬で心をつかむ話し方』(学研M文庫)を読む | トップページ | 内田樹著『街場の教育論』(ミシマ社)を読む »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: William Golding著『lord of the flies』(A Perigee Book)を読む:

« 野口敏著『一瞬で心をつかむ話し方』(学研M文庫)を読む | トップページ | 内田樹著『街場の教育論』(ミシマ社)を読む »

フォト
2023年2月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28        
無料ブログはココログ

読み助の本棚

  • 読み助の本棚
    ブクログ