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内田樹著『街場の教育論』(ミシマ社)を読む

12月7日(月)

フランス現代思想で知的に、合気道で肉体的に武装し、オジサン的感性で現代社会を斬りまくる内田教授の教育に関する発言集。あいかわらず鋭い現状分析と提言に満ちており、特に現場で懸命に頑張っている教師は読めば励まされるはずである。

ただ、わたし自身は別に今の日本の教育が、内田先生の言うほど危機的な状況にあるとは思っていない。内田先生は学校で教わるという形態に教育の本質を見るから、その形態が社会からも子供たちからも支持されなくなっている現状が危機的に見えるのはわかる。しかし、わたしは教育の形はこれからのメディアの発達によっていくらでも変わっていくし、その中で学校の地位は相対的に下がっていくのだろうと考える。

かつてソクラテスが文字の誕生に危惧したように、内田先生の発言は新しい社会の出現に対するおじさん世代からの危惧の表明のように見える。どれだけ知的で洗練されていても、その感性は新橋で飲んでいるおじさんと同じなのだ。もちろんおじさん世代の良質な発言は若い世代にも大いに歓迎されるべきであろう。ただし、それは乗り越える対象としてである。

(12月6日読了)

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