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荻上チキ著『社会的な身体(からだ)』(講談社現代新書1998)を読む

12月29日(火)

著者の荻上チキ(おぎうえ・ちき)は1981年生まれで20代後半の若手の社会学者である。本の内容はメディアと社会と個人との関係を考察したものとでも言うべきか。中々に知的刺激に満ちた本だった。

著者はまず有害メディア論を軸に、新しいメディアに対する社会の受容の過程を示し、その中で社会的身体という概念を提示する。次に社会的身体という概念を使って、TVや新聞などの大きなメディアとブログや掲示板などの小さなメディアとの社会での受容のされ方および両者の関係について分析する。さらに現在のお笑いや市民運動を超えたポスト社会運動の可能性についても論じている。

第2章と第3章の間にある「ノート 情報思想の更新のために」は、この本の全体のテーマをより抽象的に論じたものである。これまでの現代思想で提示された現代社会の理論がモデルとして整理され、それを更新するものとして著者のモデルが示されている。

今、著者のような20代30代の社会学者が面白い仕事をしている。単に目新しいだけなのか、それともこの中から新しい社会思想が作られていくのか。これからもしばらく注目していきたい。

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