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石井光太著『絶対貧困 世界最貧民の目線』(光文社)を読む

9月23日(水)

「世界リアル貧困学講座」という講座名を冠して、世界中の貧困社会を14講にわたって具体的に記した本。大きくはスラム編、路上生活編、売春編に分かれる。この先生はただものではない。貧困社会の成り立ちについて微に入り細に入り実に詳しくしかもわかりやすく解説してくれる。おかげでわたしの貧困についてのイメージは大きく変わった。

著者は1977年生まれのまだ若い作家である。ただ、大学時代から世界中を旅して貧困社会を取材し、ノンフィクションやTVのドキュメンタリーの仕事も積み重ねてきた。作家だけあって、講座とは言っても学者のような堅苦しい言葉は一切使っていない。それでいて世界の貧困社会の多様性や、そこに暮らす人たちの悲惨でありながらたくましくユーモラスな生活を見事に描いている。

著者は国際開発論などの視点とは違う貧困学を立ち上げたいと願っている。この本はその記念すべき始まりの書でもある。国際開発論のようなマクロな視点の貧困論と貧困学のようなミクロな視点の貧困論が組み合わさって、本当に貧困社会に暮らす人のためになる政策や方策が生まれるのだろう。

本筋とは関係ないが誤植を1か所見つけた。それが「立ちんぽう(p247 )」だったのが妙に受けた。

(9月21日読了)

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