北野誠著『死んだら、あかん』(メタモル出版)を読む
7月6日(月)
北野誠は、わたしにとってはTBSの「噂の!東京マガジン」のレポーターとして親しみを持って見ていたお笑いタレントの一人である。でも関西ではむしろABCラジオの「サイキック青年団」で有名だったようだ。今年の3月に21年続いたこの番組は終了し、その後、北野誠は一切の芸能活動の無期限の自粛を宣言し今に至る。原因はこの番組でのトークにあったらしい。芸能界の噂話的なトークだったらしいが、相当過激で、ついにバーニング系の大手芸能プロが抗議し、番組の終了と北野の自粛という結果になったようだ。
この本は、これがきっかけになったのか、北野の今までの人生を振り返るものになっている。拙い文章だが中味は壮絶で、特に父親の心の病と焼身自殺の記述は圧倒的である。
北野の父親が死んだのは53歳の時で、北野も今年50歳である。「死んだら、あかん!」は、同世代へのメッセージだが、同時に自分に言い聞かせているようにも読める。わたしも同世代として北野には「死んだら、あかん!」と言いたい気分である。そしてまた「噂の!東京マガジン」にも戻ってきてもらいたい。
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