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村上春樹著『1Q84 BOOK2〈7月-9月〉』(新潮社)を読む

7月1日(水)

BOOK2は一気に読み終えた。天吾と青豆はいつのまにか30歳になっていた。お互いを初恋の相手であり唯一の愛の対象として思い合いながらも、けっして出会うことのない二人。やがて青豆は天吾が自分と同じ世界に入り込み、同じ相手と戦っていることに気づく。青豆は究極の選択を突きつけられる。天吾が死んで青豆が生きる世界と青豆が死んで天吾が生きる世界。青豆の選択した道はどちらか。

この小説は様々なレベルでの読みが可能で、その分、読者は様々な読み方を楽しむことができる。大きく捉えると、この小説は、遺伝子の目的性と人間の自我との矛盾を、リトルピープルとアンチ・リトルピープルとの戦いとして描いたものと言うことができる。また、人間の自意識を中心に考えると、意識といきなり訪れる外部の悪意との戦いの物語とも言える。ただ、その中心にあるのは、相手が遺伝子であろうと悪意であろうと、最後に人間を救うのは他者への愛であるという確信、である。それは隣人への普遍的な愛とはちがい、ただ一人を強く愛していればそれでいいと作者は考えているようだ。

はたして続編はあるのだろうか。あるとしても、天吾と青豆の物語とはまったく違う物語となるだろうとは推測できる。

(6月29日読了)

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