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釈徹宗著『仏教ではこう考える』(学研新書)を読む

4月13日(月)

浄土真宗の住職である著者が、一般人の素朴な疑問に答えた本。全体で二部ある。第一部の紙上問答編は、京都新聞で連載していた「紙上問答」というコラムに加筆修正したものであり、52の質問からなる。第二部の日々の問答編は、壇家さんとのやりとりの中で住職として考えたことを書いている。

第一部は、読者からの素朴な質問に答えている。その質問には「なんで坊さんに坊主頭でない人がいるの?」とか「占いを信じるのはいけないこと?」のような本当に素朴なものから「この世界は無なのか有なのか」のような深い質問もある。著者はそういった質問に実に柔軟にそして生真面目に答えている。その答え方は、かつて話題になった「生協の白石さん」のようだ。

第二部では壇家さんからの7つの疑問について自分がどう答えてきたかを述べつつ、仏教の浄土真宗の住職として日々考えていることを書いている。その中で、仏教とはどんな宗教か、浄土真宗とはどんな教えなのかがわかるようになっている。

この本を読むと、葬式仏教などと言われて軽んじられている風潮とは違い、日本の既成仏教に懐の深さを感じることができる。あらゆる宗教や思想に寄りかからないで生きることも一つの生き方だけど、これだけの知恵が詰まった宗教をまったく知らないままで生きるのは惜しいような気もする。何より中高年にさしかかりこれから老いて死ぬ身としては、既成宗教の知恵に学ぶことが必要になってくるのではないかという予感がしている。人は狂信的でなく他人に押し付けることさえしなければ、信仰を持てるものなら持つ方がいいのではないだろうか。

(4月10日読了)

読み助の本棚

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