森岡正博著『草食系男子の恋愛学』(メディアファクトリー)を読む
1月15日(木)
森岡氏は大阪市立大学の教授で、生命倫理や女性学、男性学などの分野で積極的に発言を続けている。1958年生まれでわたしより3歳年上である。
この本は、恋愛に臆病で女性に積極的になれない20代の男性に向けて書かれたものである。女性を好きになったらどうすればいいのか。その話しかけ方からデートへの誘い方、キスやセックスの仕方まで、具体的にていねいに書かれている。とはいってもいわゆる「モテ本」の類ではなく、自身の辛い経験や女性学、男性学の成果などを踏まえた真面目な本である。男性は女性といかに接すればいいのか、どのように理解すればいいのかが女性の心理や体の説明を交えて実にくわしく書かれてある。読んでいて、女性はここまで男性に理解されたいものかな、かえって気持ち悪いんじゃないかと思わなくもなかった。
これを読んで勇気を出して女性をデートに誘う男の子が少しでも増えればめでたい話だが、はたしてそんなにうまくいくのかどうか。たとえば、今結婚しない男が増えている背景には、女を好きにならないというまた別の状況があるのかもしれない。だとしたらそもそもデートに誘う以前の問題ということになる。
いや実のところわたしがそうなのだ。世の中にこれだけ女性がいるのに好きになるということがもう久しくない。かといって男性を好きになるかというとそういうことでもない。いったい今自分がどうなっているのか、うまく説明している本はどこかにないものだろうか。
と思っていたら、同じ森岡氏に『感じない男』(ちくま新書)という著作があった。だがレビューを見る限りではちょっと違うような気もする。とりあえず目を通しておきたい。
(1月13日読了)
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