宮台真司著『14歳からの社会学 これからの社会を生きる君に』(世界文化社)を読む
12月11日(木)
わたしは著者の宮台氏には社会学の著作を通じてよりも、TBSラジオ「荒川強啓のデイキャッチ」の金曜コメンテーターとして親しみを感じている。その日の10大ニュースを読み上げるコーナーで、各ニュースに毒舌口調でからかい気味の鋭いコメントを浴びせる。口が悪くて早口だけど、ニュースの背景を簡潔でわかりやすく説明してくれるという印象を持っていた。
この本では氏の毒舌は封印されている。どういうわけか(失礼!)、とてもまじめなのだ。あとがきを見ると、自分の2歳の娘が14歳になったら何をどう語るかと考えながら書いたのだという。なるほど。ただ、毒舌ではなくても、氏の説明が簡潔でわかりやすいことに変わりはない。
しかしわかりやすいのは語り口だけなのかもしれない。氏の考え方をまとめようとするとけっこう難しい。わたしがここで説明するよりも、実際に本を読んだ方がはるかにわかりやすいはずである。それでいてわたしのような40代後半の男が読んでもハッとするような知見に満ちている。「これからの社会を生きる君」のためになる本であることはまちがいない。
(12月10日読了)
« 山城新伍著『おこりんぼ さびしんぼ』(廣済堂文庫)を読む | トップページ | 真木悠介著『自我の起原 愛とエゴイズムの動物社会学』が岩波現代文庫に »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 読んだ本39冊(2019.07.15)
- カズオ・イシグロ著、土屋政雄訳『日の名残り』(中公文庫、1994年)を読む(2018.08.10)
- カズオ・イシグロ著、小野寺健訳『遠い山なみの光』(ハヤカワepi文庫,2001)を読む(2018.06.01)
- 読んだ本3冊(2018.04.19)
- 菅野覚明著『吉本隆明―詩人の叡智』(講談社学術文庫)を読む(2018.02.18)
この記事へのコメントは終了しました。
« 山城新伍著『おこりんぼ さびしんぼ』(廣済堂文庫)を読む | トップページ | 真木悠介著『自我の起原 愛とエゴイズムの動物社会学』が岩波現代文庫に »
コメント