映画「西の魔女が死んだ」を観る
9月13日(土)
おとといの木曜日、昼から新宿武蔵野館で『西の魔女が死んだ』という映画を観てきた。原作については6月25日にすでに書いているけど、映画のあらすじは原作とほとんど同じである。細部についても原作そのままのセリフが多かった。
今回映画を見て思ったのは、この作品には子供の成長に必要なことは何かが豊富な具体例とともに示されているということである。ゲンさんと呼ばれている、まいにとっては汚らわしく卑しい男がなぜ近所にいるのか。ゲンさんがいなければ、この作品は、都会で傷ついた少女が田舎の豊かな自然と優しい祖母に癒されて再び都会に帰っていくという単純な話になっていた。傷ついている少女が同時に差別と偏見に捉われていることで話に深みが加わる。ゲンさんの見え方が変わることがまいの成長の指標である。
不思議なのは、なぜ原作にはない郵便配達人とその息子を登場させたかである。何だかお伽の国の郵便屋さんと言った感じだったが、まだうまく解釈できないでいる。
おばあちゃん役のサチ・パーカーは、日本に長く暮らすイギリス人女性そのものだった。また他の作品にも出て欲しい。主人公のまい役の高橋真悠は傷ついた暗い表情の少女でありながら、時折見せる明るい笑顔が魅力的だった。いずれTVドラマにもまちがいなく主役で出てくる素材である。
映画を観る前は晴れ渡っていた空が、観終わって外に出るとどしゃ降りになっていた。まるでこの映画の冒頭とラスト近くのシーンのような激しい雨であった。
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