ドミニク・チータム著『『くまのプーさん』を英語で読み直す』(NHKブックス)を読む
6月22日(日)
古典的名作である『くまのプーさん』の世界を英語の原文に添いながら解説した本。本文は3部に分かれる。第Ⅰ部はプーの魅力とミルンのタイトルで、物語ができるまでの成り行きや登場人物の説明、作家ミルンの人生、その文章のスタイルなどについての説明がある。
第Ⅱ部は『ウィニー・ザ・プー』の世界のタイトルで、翻訳では『くまのプーさん』として知られている本の中味を1章ずつ詳しく解説している。そして第Ⅲ部は『プー・コーナーの家』の世界のタイトルで、翻訳では『プー横丁の家』で知られる本を章ごとに解説している。
確かにこの本は英語でくまのプーさんの本を読む助けになる。わたしの場合はもう読んでしまっていたが、あれはそういう意味だったのかと教えられることがいくつもあった。もちろんこれから読む人にとっても役に立つ本だとは思う。ただ、この本を読まなくてもくまのプーさんの世界を楽しめることも確かである。
欲を言えば、もっと具体的に英文の分析をしてもらいたかった。それに著者の好みなのか教訓的な部分への言及が多かったけど、その部分はもっと少なくてもよかったのではないか。著者のチータムさんのエッセイのファンで、それがプーさんを英語で読むきっかけになっただけに、読者としてはちょっと欲張りな要求をしているのかもしれないけれど。
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