見田宗介著『社会学入門 人間と社会の未来』(岩波新書)を読む
5月11日(日)
学問としての社会学の概論ではなく、その情熱の核心を抉り出した本。見田社会学の入門書である。現代の社会は近代とは異なる形に変容している。何が変わっているのか。何が問題なのか。そもそも近代とは何だったのか。そしてこれから社会はどう変わっていくのか。こうした広範な問題群の骨格が理論的に提示されていて明確である。
また見田社会学は個人の実存にも届くことをめざしている。そのせいか心の深いところに彼の文章は届いているような気がする。つまりは泣きたくなるのだ。泣ける社会学というのも見田社会学の魅力の一つである。
(2006年7月2日読了)
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