中島義道著『働くことがイヤな人のための本』(新潮文庫)を読む
5月7日(水)
哲学者による人生論とでも言うべきなのだろうか。仕事に熱意を持てない20代から50代までの各年代の4人の男女(架空)と著者との対話という形で話は進む。
対話の中で著者の働くことについての考えが述べられてゆく。ただその対話が哲学的・弁証法的に展開していくため、中々著者の言いたいことが見えてこない。強引にまとめると、著者はとにかく50代までは何でもいいから懸命に働け、そして定年になったら哲学をやり、やがて来る理不尽な死への準備をしておけと言いたいらしい。著者自身かつて引きこもりだったわりには引きこもりたちにはかなり手厳しい。
巻末解説で文芸評論家の斎藤美奈子が哲学者の言うことはよくわからんという意味の「解説」をしていたのが妙におかしかった。
(5月5日読了)
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