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2008.05.30

梶原しげる著『老会話』(東洋経済新報社)を読む

5月30日(金)

日本では今国際化が進み英会話の必要性が叫ばれている。だが日本では同時に高齢化も進んでいる。にもかかわらず高齢者とのコミュニケーションの方法である「老会話」の必要性が自覚されていない。この本は来るべき高齢化社会に備えて親子の会話のあり方、これからのビジネスのあり方、地域のあり方などについて高齢者とのコミュニケーションの方法を中心に論じたものである。

この本を読んで、わたしも高齢のお客様との会話に気をつけるようになった。また両親とも70歳を越え高齢者の仲間入りである。今後は親との会話にも「老会話」の方法が有効になるだろう。より深い勉強をするためには、巻末の参考文献がいい指針になりそうだ。

(2006年6月18日読了)

2008.05.26

第138回TOEICテストを受けてきた

5月26日(月)

昨日1年ぶりにTOEICテストを受けてきた。ここ1週間ブログを更新する気になれなかったのは、その準備に集中していたためである。TOEICはここ10年、ほぼ毎年受検している。昨年は新形式になって初めての受検だった。新形式になってリスニングテストでオーストラリア英語の聞き取り能力も問われるようになったこともあって、特にリスニングテストで旧形式のテストより110点下げた。今回はそのリベンジの意味もあって、4月初めからいつになく念入りに勉強を重ねてきた。

結果が出るのは約3週間後だが、手応えは今までで最高だった。過去の最高点は815点だけど、これなら900点を超えても不思議でないくらいである。今年の初めにTOEICで900点を超え、英検1級で合格したいと書いたとは言え、内心ではまだまだ先の目標だった。でも今回の手応えで、いよいよ英検1級に挑む時期が来たのだと確信した。

今年の10月に英検1級を受ける。そして少なくとも一次試験は突破する。わたしの中で久しぶりに具体的な目標ができた。

結果を受け取って落ち込むことがないように、いい結果が出てもらいたいと心底思う。手応えに結果が伴うことで自分の気持ちに勢いをつけることができるからである。

2008.05.17

中島義道著『悪について』(岩波新書) を読む

5月17日(土)

哲学者でありカント研究家でもある著者が、カント倫理学の本質について悪に関する考察の側面から説明したもの。カント倫理学と言うと、道徳法則への尊敬とか自律とか定言命法という用語は何となく知っていたが、まさかここまで人間が悪から逃れられない存在として描かれているとは知らなかった。

カントの場合はその救いのなさを神への信仰とつなげていく発想があるらしいが、著者はその部分は理解できないとして、人間の根本悪についての思惟の部分までで説明を終えてしまう。終えてしまうところに著者の思想の独自性がある。

中島の著作については今まで3冊紹介したけど、4冊目のこの本が一番自己顕示の臭みが少なくて素直に読めた。カント風に言うと『「人間嫌い」のルール』が実践理性による記述だとすると、この『悪について』は純粋理性による記述と言えるのかもしれない。まあ半分は冗談だけど。

(5月17日読了)

2008.05.15

大野裕著『「うつ」を治す』(PHP新書)を読む

5月15日(木)

うつ病も含めた<うつ>状態を治すための本。著者は皇太子妃の雅子様の治療にも関わっているうつ病の権威。はじめに<うつ>についての医学的な説明がある。<うつ>は病因による分類ではなく症状による分類なのだという。次に治療法についての3つの方法に関して説明がある。心理的治療、薬物療法、社会的治療である。いわゆる憂鬱な状態からうつ病まで様々な段階があるし、症状が重い場合は治療に時間もかかる。でも辛抱強く治療を続ければ必ず治る病気なのである。

私自身には特にうつ症状は出ていない。対人恐怖症気味ではあるが。でも心理的治療の説明など症状が出ていない人にとっても、生きていくうえでの心構えとか人間関係で問題が生じたときの対処法など参考になる部分もあった。それに今後いつうつ病になるかわからないし知人や友人がうつ病になる場合もあるだろう。そういう意味では読んでよかったと思う。

(2006年6月24日読了)

2008.05.13

島井哲志著『「やめられない」心理学 ―不健康な習慣はなぜ心地よいのか』(集英社新書)を読む

5月13日(火)

人はなぜ健康に悪いと頭ではわかっている習慣をやめることができないのか。その心理を新しい学問分野である健康心理学の成果に基づいて説明したのがこの本である。そして悪い生活習慣を変え人々が健康に生きるためにはどうすればいいかを、個人、職場、病院、学校、社会、政治など様々な領域で取り組むべきことを挙げながら論じてゆく。

読み進めていくと、本のタイトルは読者を引き込むための導入に過ぎず、より正確には「健康心理学入門」とでも言うべきものであることがわかってくる。それでは買ってくれる人が少なくなるからこういうタイトルでも仕方がないとは思う。ただ、どこかだまされた感は拭えないし、少なくとも読んでお得感を得られないのは確かである。

タバコを止めるにはいつもと違う銘柄を吸うとかダイエットをするためには食事を楽しむなど、一見逆説的な方法も心理学的には理に適っており、今後に期待できる学問であるとは言えるだろう。

(5月11日読了)

2008.05.11

見田宗介著『社会学入門 人間と社会の未来』(岩波新書)を読む

5月11日(日)

学問としての社会学の概論ではなく、その情熱の核心を抉り出した本。見田社会学の入門書である。現代の社会は近代とは異なる形に変容している。何が変わっているのか。何が問題なのか。そもそも近代とは何だったのか。そしてこれから社会はどう変わっていくのか。こうした広範な問題群の骨格が理論的に提示されていて明確である。

また見田社会学は個人の実存にも届くことをめざしている。そのせいか心の深いところに彼の文章は届いているような気がする。つまりは泣きたくなるのだ。泣ける社会学というのも見田社会学の魅力の一つである。

(2006年7月2日読了)

2008.05.09

中島義道著『「人間嫌い」のルール』(PHP新書)を読む

5月9日(金)

人間嫌いを自他共に認める著者が、自分のように人間嫌いな人がどうすればもっと楽に暮せるようになるかを語ったもの。これほど自分語りをする人が人間嫌いというのもおかしな話で、自分大好き人間としか見えない。それとも著者の定義ではそれも人間嫌いなのだろうか。

著者は人間嫌いを治すことはできないから、人間嫌いのままで今よりも生きやすい方法を選ぶよう勧めている。共感ゲームから降りる、一人でできる仕事を見つける、他人に何も期待しない、家族を遠ざける、という各項目を論じた後で、人間嫌いのルールを10にまとめる。これを読む限りは、わたしも似たような生活を送っていて、一人が好きなタイプは自然にこのような生き方を選択しているように思う。でも、人恋しいタイプの人には厳しい生活なのかもしれない。

著者の言うように、今の日本社会は個人に過剰な要求をしているような気もする。だから著者のような人間嫌いでも楽に生きていける社会とは、実は大多数の人にとっても楽な社会なのではないか。でも都市に限れば、他人に干渉しないで、犯罪や事故や災害で人が亡くなっても誰も大して関心を持たない社会にはすでになっている。あとはそれを嘆いてみせるマスコミや良識ある「善人」たちがいなくなれば、著者好みの社会になるのだろうか。でも道で人が倒れていても見て見ぬふりをするような社会は著者の好みではないらしいから、この辺りのさじ加減は難しいところである。

読後感は悪く、正直言って、わたしはこの著者が嫌いになった。その理由を言うのはまだ難しい。今後自分の中で徐々に言葉になっていくような気がする。

(5月7日読了)

2008.05.07

中島義道著『働くことがイヤな人のための本』(新潮文庫)を読む

5月7日(水)

哲学者による人生論とでも言うべきなのだろうか。仕事に熱意を持てない20代から50代までの各年代の4人の男女(架空)と著者との対話という形で話は進む。

対話の中で著者の働くことについての考えが述べられてゆく。ただその対話が哲学的・弁証法的に展開していくため、中々著者の言いたいことが見えてこない。強引にまとめると、著者はとにかく50代までは何でもいいから懸命に働け、そして定年になったら哲学をやり、やがて来る理不尽な死への準備をしておけと言いたいらしい。著者自身かつて引きこもりだったわりには引きこもりたちにはかなり手厳しい。

巻末解説で文芸評論家の斎藤美奈子が哲学者の言うことはよくわからんという意味の「解説」をしていたのが妙におかしかった。

(5月5日読了)

2008.05.04

野口旭著『ゼロからわかる経済の基本』(講談社現代新書)を読む

5月4日(日)

経済学の基本的な考え方を、まさにゼロからわかるように懇切丁寧に教えてくれる本。ただ、はじめににあるように単なる経済学の本ではなく、経済学の基本概念を使って、現実の経済をいかに見るかがわかるように書いてある。

初版が2002年なのでその現実は2002年当時の日本社会の経済であるが、今見ても的確に分析して見せている。応用問題として、2008年現在、マスコミをにぎやかしている政府の経済政策についても分析できそうである。

ただ、わたしの頭では、この本でさえ読んで理解できないところが所々にあった。たとえばミクロ経済学の限界効用(財・サービスの最後の一単位を消費することで得られる満足度)の説明があったけど、あらゆる財の限界効用が個人にとってほぼ等しくなるという、限界効用均等化の法則というのはなぜそうなるのかまだ理解できていない。

また、貿易黒字の額は機関投資家らによる海外への投資の額と等しいというのもよくわからなかった。日本の貿易黒字は日本の機関投資家らによって対外投資が行われた結果であり、日本の産業に国際競争力があるからでも、日本社会が閉鎖的であるからでもない。これは日米の政治家でも理解していない人が多く、それで90年代にアメリカの政治家が的外れな対日要求をし、日本の政府が的外れな対応をしてきたということらしい。

経済学も専門的には高等数学が使われていて、本当に理解するには数学の知識が必要だと思うけど、選挙民として政府の経済政策を理解し、市民として今の社会の経済を理解するためには、どうやらこの本くらいは一応理解できるレベルになっておく必要がありそうである。やれやれ。

(5月4日読了)

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