Roald Dahl著『Matilda』(A PUFFIN BOOK)を読む
3月12日(水)
イギリスの作家・Roald=Darlの児童文学。天才幼女マチルダは子育てに関心のない両親の元で育つが自力で読書をし自らを育ててゆく。やがて小学校に上がり担任の若い女教師を助け、悪い女校長と戦う。
前半はマチルダの天才ぶりが描かれ小学校に上がってからは校長の極悪ぶりがていねいに描かれてゆく。後半になってマチルダに超能力が現われ童話のような担任教師の家へ行く頃から話は急速にファンタジーになってゆく。そして担任教師の抱える問題と校長との関係が明らかになり、マチルダがその超能力で問題を解決する。
読ませる筆力で飽きはこなかったが話の展開にやや無理が見られた。前半と後半でちがう物語になっている。前半はリアルな物語だが後半はファンタジーである。できれば超能力を出さないで問題を解決して欲しかった。でもおもしろいことはおもしろい。この作家の本はこれで2冊目だが他の本も読んでみたいものである。
(2006年12月4日読了)
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