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2008.02.12

柳原和子著『百万回の永訣 がん再発日記』(中央公論新社)を読む

2月12日(火)

2003年5月15日~2005年8月18日までの約2年3ヶ月間の日記が5章に分けて書かれている。友人のがん発症の知らせから日記は始まり、やがて自らもがんを再発し余命6ヶ月と宣告される。

それから著者の最善の治療を求めての彷徨が再び始まる。それはまるで著者の魂の彷徨のようでもある。様々な医者が現れる。様々な治療法が提示される。そして決断、治療、一時的ながんの消滅、一喜一憂する日々。現代医学への、医者への信頼と不信に揺れ動く心。代替医療を試してみたりもする。しかしついにはがんを肝臓内に追い詰め、ラジオ波治療で焼き、残ったがんを抗がん剤で消滅させることに成功する。

著者は最後に自分にとって最良の医師を見出した。今後はその医師と共にがんと戦うことを決意する。

がんの治療は現状では著者のように彷徨い続けなければ自分にとって最良の治療を得られない。そしてその治療を受けられる患者はほとんどいない。決定的な治療法の確立していない病気に患者はどう立ち向かうべきなのか。大多数の患者は著者のようにはできない以上、標準的な治療法の向上と病院の治療体制の充実に期待するしかないが、理想の治療のあり方を著者が身をもって示してくれたのはよかったと思う。

今のところ父の膀胱がんは再発していない。しかし再発率は75%と告知されている。がんは今わたしの家族にとっても進行中の課題である。

(2月11日読了)

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