福岡伸一著『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)を読む
12月28日(金)
現役の生物学者が分子生物学と発生生物学の歴史を辿りながら、生物とは何かという問題に取り組んだ本。とにかく文章がうまくてぐいぐい読ませるし、難解な生物実験の手法の説明も実にわかりやすい。生物学を大学で専攻したけど、こういうことを勉強したのかと改めてわかった次第である。
生物とは自己複製するものというだけでは不十分で、そこに動的平衡という概念を導入したのは目新しかった。生物は機械とは異なる。身体を構成する物質が常に入れ替わりつつ形を保っている動的平衡系である。著者は今狂牛病の研究をしているということだが、新しい成果を期待したいものである。(11月24日読了)
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