『みうなノート』(講談社)の感想
2月12日(月)
みうなというアイドルが、フットサルに取り組んだ日々の日記。初めは嫌だったフットサルが続けていくうちにかけがえのないものへと変化してゆく。10代後半の女の子がフットサルを通じて人生を学んでいる。
みうなはハロープロジェクトというアイドル集団のカントリー娘。というユニットのメンバーとして2003年から活動を始めた。ハロープロジェクトがフットサル活動を始めたのは同年の9月からで、ノートは11月から始まっている。
みうなの文章は拙くて何を言っているのかわからなくなるところがある。でも10代の青年らしく文章に緊張感があって読んでいて苦にならない。自分は人の役に立てる人間になれるのか、何か価値あるものを生み出せるのかという悩みの告白に10代の頃の感覚を少し思い出した。そして「白線流し」というTVドラマの主人公を思い出した。
わたしのような40代半ばの人間にとっては、10代の青年は存在自体が価値である。それは青年の存在自体が未来へ開かれているからである。青年は変に悩まずに目の前の課題に全力で取り組めばいい。そうすることで日々の悩みは解決される。悩むのはわかるけれど悩みすぎてもいいことは何もない。そして自分にできることとできないことの境界を見極めて、自分らしく生きることができるようになれば、青年の悩みはやがて消え去ってしまうのである。
みうなは今年1月28日のコンサートで同じユニットのあさみと共に芸能界を引退した。みうなは今でも十分魅力的な女性なのだから、もっと自分を好きになって、自分らしく生きていって欲しいと思う。
最後にみうなに。20歳の誕生日おめでとう。
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