ETV特集・“最後のレッスン”キューブラー・ロス 死のまぎわの真実
2004年12月25日(土)NHK教育のこの番組を見ている。はじめは民放の番組を流し見ていたのだが、つまらなくなってチャンネルを変えているうちにたどりついた。
『死ぬ瞬間』の著者として、受験勉強で作品名と著者を結びつけるくらいの知識しかなかったが、末期ガンの患者を大学に呼んで死の講義を行う映像を見て、初めてホスピスとの関連を知った。どちらかというとオカルト的な印象を持っていた。実際、怪しい霊媒師と交際していた時期もあるらしいので、まんざらまちがった印象でもないようだ。でも、わたしが学ぶところは別のところにあるような気がする。
中高年期には、仕事に忠実なあまり、ほとんど家庭を顧みることがなかったようだ。
さて、やがてエリザベス・キューブラ・ロス自身が老いて病に侵され、死ぬときがやってくる。彼女自身が死とどう向き合うかが番組後半の焦点となる。エリザベスの若い女性の友人によると、彼女はただの老いた女性だった。ユーモアにあふれたただの老人だった。
彼女はそんな中『life lesson』という本を著す。そこで「愛を受け入れる」という最後のレッスンを学ばなければならないと語る。番組の評者に言わせればそれでもまだ元気な頃の本だとは言うのだが。
死ぬときには自分を正直にさらけだして死に行く。そのことが、他の人への何らかの生きる道を示すことになる。ホスピスだって行けば安楽に死ねるわけではない。結局は自分で何かを探すことが大事なのだ。人は死ぬ間際にさえ変わることができるのだ、と評者らは語る。
原点となった黒ウサギとは何かは途中から見はじめたのでわからない。
晩年のロスは孫をかわいがる。娘はそんな母をみて幸せに感じる。やがて彼女はベッド脇で転倒し、そのまま老人ホームで過ごすことになる。ベッド脇には娘や孫の写真を飾り、不自由な体を起してもらって眺めていたという。息子は最後の10年間を、子供の頃にできなかった母とのふれあいを埋め合わせる時間だったと語る。
2004年8月4日、エリザベスの心臓の鼓動は次第にゆっくりになっていく。母はとてもやすらかだった。僕らは人工栄養などは何も与えなかった。彼女が逝くことは悲しかった。と息子は語る。娘は、母にとって理想的な死ではなかったかと語る。8月24日、彼女は死ぬ。78年の生涯だった。
すぐれた精神科医は不器用に愛を求める一人の女性だった、か。いいナレーションだ。いい番組だった。録画しておかなかったのが残念だ。


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