イラクでの誘拐事件
4月にはいってイラクで起こった日本人の誘拐事件は、わたしには予想もつかない出来事だった。自衛隊が攻撃されたり、民間人が戦闘に巻き込まれて死んだりすること、日本国内や外国での日本大使館でテロが起こることなどは可能性として考えていたが、まさか日本人を誘拐して、自衛隊の撤退を要求するグループが出てくるとは想像もできなかった。
おそらく、わたしだけでなく、人質になった人たちや、日本の政府、マスコミもそうだったように思われる。それなのに、後知恵で政府の首脳やマスコミの一部が、人質になった人たちに批判の言葉を向けている。外務省から退避勧告は出ているのだから彼らの行動は無謀な行為だったのだということらしい。
でも、外務省の退避勧告は、ビジネスマンや観光客には効果があるかもしれないが、ジャーナリストやNGOのメンバーにどれほどの効果があるというのか。彼らはむしろそういう地域でこそ必要とされているのだ。
今回の誘拐事件に対しては、危険を予測できなかった者の全員に、何らかの責任がある。つまり、人質になった人たちだけでなく、政府やマスコミ、そしてわたしにも責任はあるのではないだろうか。今回は「平和ぼけ」しているのは日本人だけではなかったようだけれど。


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